想像して、発信すること【想像ラジオ】

おはようございます。

 

時刻はただいま朝の9:42

お相手は妄想大好き、センチメンタリストDJあかまつです。よろしくお願いします。

 

 

なんてラジオの前口上みたいに始めてみました。

ラジオって素敵ですよね。

夜ふとラジオをつけると、ラジオの向こう側には同じように同じ時間に聞いている人がたくさんいるんだな、と不思議な繋がりを感じます。

 

そんなラジオ関連で本日ご紹介する本はこちら 

想像ラジオ (河出文庫)

想像ラジオ (河出文庫)

 

あらすじ

深夜二時四十六分。海沿いの小さな町を見下ろす杉の木のてっぺんから、「想像」という電波を使って、「あなたの想像力の中」だけで聴こえるという、ラジオ番組を始めたDJアーク。その理由はー

東日本大震災を背景に、生者と死者の新たな関係を描き出しベストセラーとやった著者代表作。 

 

 

 

 

「想像?ラジオ?背景は東日本大震災?気になる設定だ」と思い読んでみました。

 

 

序盤はDJアークの軽妙な語りから始まるので

全編を通して明るい内容かと思いきや、

やはり東日本大震災を背景とするだけあって

考えさせられるような重いテーマも出てきます。

 

 

例えば作中で被災地へボランティアした団体でこんな論争が起こります。

「被災者や死者の気持ちを想像することは是か非か」

 

 

つまりボランティアの立ち位置の問題です。

・生きている人に事務的に関わるべきか

・亡くなった人への想像を働かせ内側に入るべきか

・ボランティアとしてどこまで踏み込んでいいのか

 

 

私も実際に何度か東北にボランティアに行きましたが、被災地を見て、やはり想像することしか出来ませんでした。

溺れて水に巻かれて胸をかきむしって海水を飲んで亡くなった人の苦しみも、大切な人を失う苦しみも、僕らにはわかるはずがないのです。

 

 

 

ボランティアという立場である限り私たちはよそ者であり、他人です。

どこまで踏み込んでいいのだろう?想像することをやめて求められることだけを事務的に活動してしまおうか?そう考えたことが何度かありました。

 

 

この問題に明確に答えがあるわけではありません。

作中でも「絶対こうだ」ということは明記されていません。

読書一人一人に考えさせる材料を提示してくれるだけなのです。

 

 

また、解説ではこのようなことが記されています。

『いつか震災を知らない世代が「私たちは無関係だから語る資格がないと思ってはならないため」に書いた』と。

この本の題名には「想像して、発信してほしい」そう言った思いが込められているのかもしれないですね。

 

 

少し重い話になりましたが、もちろん明るい内容もあります。

DJアークがラジオ放送中に奥さんとの思い出トークをする中で、

次から次へとノロケ放送を行います。

これは読みながらニヤニヤしてしまうので必見です。

 

 

あなたは何を想像しますか?

あなたは何を届けますか?

 

 

それではあいにく雨の月曜日ですが、

心は晴れ模様で行きましょう。

 

お相手はセンチメンタリストDJあかまつでした。

また来週!