『大人の児童書目録 vol.5』【きょうはなんのひ?】
こんにちは。
12月になりましたが、シーズン早々
ヒーターが壊れてしまって
幸先の悪さに萎えています、たけはるです。
12月になり、CMでは竹内まりやの『素敵なホリデイ』が流れ、
世間はクリスマス一色に。
街はイルミネーションで彩られて、笑顔のカップルが増えた気がします。
彼氏なしの私ですが、
その光景にはこちらもほっこりしてしまいます。
プレゼント何にしようかとか、嬉しい悩みだなあ(笑)
今回ご紹介するのは、
そんなプレゼントやサプライズにまつわる
ほっこりするお話です。
幼いまみこの、とっておきサプライズ。
今回ご紹介するのは、瀬田貞二・作、林明子・絵の
『きょうはなんのひ?』です。
初めて読んだのは、私が小学生のころ。
幼稚園に通う妹が、毎月「こどものとも」の絵本を持って帰っていて
その中にあった一冊でした。
その他にどんな本があったかは全く覚えていないのですが、
これは当時の自分の中で衝撃だったので覚えている、珍しい本です。
ずっと忘れていたのですが、
昨年、この絵本の絵を描いている
林明子さんの原画の巡回展を見て「あ~!!」と思い出して
買ってしまいました。
主人公は、小学校に通う女の子・まみこ。
ある日、学校に行くとき、お母さんに
「おかあさん、きょうは なんのひだか、しってるの?
しーらないの、しらないの、しらなきゃ かいだん 三だんめ」
と言い残して出て行ってしまいます。
お母さんが階段を見ると、そこには小さな手紙が。
見ると、次の手紙の場所を示すメッセージが書かれています。
見つけるごとに次の場所が書かれていて
傘立ての中、庭の池、ブタの貯金箱、
あげくには通勤したお父さんの背広の中にまで、
合計10枚の手紙を家中に忍ばしていたのでした。
お父さんが帰り、その手紙を合わせてみると…
まみこの、さらにビックリほっこりな
サプライズが仕組まれていたのです!
そこには、幼いまみこが、両親のために考えに考えた
とっておきのサプライズプレゼントがありました!!
…と、あらすじはここまで。
これ以上はネタバレになるので、読んでのお楽しみということに
しておきますね(笑)
目の前の相手が、喜んでくれるということ。
会社でよく、企画を出したり
お客さんに対しての提案を考える、ということをしているのですが、
なかなかいい案がでてこなかったり、ありきたりなものしか
アイデアが浮かばなかったりします。
そういう時、すごく悶々として
ただ時間が過ぎていることに、またげんなりして…と、
悪循環に陥ってしまう。でも出てこない。
見えないゴールに吸い込まれるような感覚になります。
でも、この本が教えてくれるのは、
「相手がどれだけ喜んでくれるか」ということ。
プレゼントにしても、企画にしても
初めて見た相手が「うわっ!」と驚いて喜んでくれる。
それが、やっぱり根底にあるんだろうなあ、と思います。
「そうだよ、その顔が見たかったんだよ~!!!」と
その顔見たさに、仕事をしている部分は大いにあります。
というか、それがすべてとっても過言ではないくらい(笑)
だから、この時期に悩むクリスマスプレゼントも
相手が喜んでくれるなら、モノでも料理で何でもいいと思っています。
ハンバーグでも肉じゃがでも、何でも。
なので、私もきちんとした料理を作り始めました(笑)
彩りやお皿、盛り付けひとつ取っても奥深いなあと思う今日この頃。
料理で人を喜ばせるには、まだ遠そうです…
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回もお楽しみに。
(文/たけはる/某雑誌編集者)
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