『三行文庫vol.16』【桜の文字が入っている×小説】

 





ステキな3人が毎回「気分×テーマ」に沿った本を紹介。

ステキな3冊を3行でー

 

「三行文庫」

 

第2、第4水曜日更新。

 

 

春と言えば桜、

 

 

桜と言えば春。

 

 

そんな春の代名詞的な桜ですが、

皆さんはもうお花見に行かれましたか?

 

 

お花見のあの空間が大好きなんですよね。

 

 

桜の木の周りで楽しそうに駆け回る子ども、

 

桜の写真を撮りながら歩く若者、

 

桜の木よりも会話や食べ物に夢中な大人、

 

座ってまったりとした時間を過ごしている老人夫婦。

 

 

年齢によって桜との過ごし方って違う気がしますが、
桜という存在が春を感じさせてくれるのは間違いないです。

 

 

それでは、

桜を文章の中に閉じ込めたらどんな働きをするのか?

 

 

今回は❝桜の文字が入っている×小説❞で三冊をご紹介します。

 


文章の中で桜は読者に何を訴えかけてくるのか、
小説の中でも花見をぜひお楽しみください。

 

 

(1)まこまこ(平日は出張、休日は旅行で飛び回るアクティブガール)

〇 雷桜(著/宇江佐真理)

 

雷桜 (角川文庫)

雷桜 (角川文庫)

 

 

(内容/「BOOK」データベースより引用)

江戸から三日を要する山間の村で、生まれて間もない庄屋の一人娘、遊が、雷雨の晩に何者かに掠われた。手がかりもつかめぬまま、一家は失意のうちに十数年を過ごす。その間、遊の二人の兄は逞しく育ち、遊の生存を頑なに信じている次兄の助次郎は江戸へ出、やがて御三卿清水家の中間として抱えられる。が、お仕えする清水家の当主、斉道は心の病を抱え、屋敷の内外で狼藉を繰り返していた…。遊は、“狼少女”として十五年ぶりに帰還するのだが―。運命の波に翻弄されながら、愛に身を裂き、凛として一途に生きた女性を描く、感動の時代長編。

 

(コメント)

 

・時代小説らしく、人間の強さ・優しさ・哀しさい物語と桜の背景が身に染みる。


・もしかしたら自分の近くにも、あなたの近くにも雷桜のような桜の物語があるかもしれません。

 

・桜の花びら舞う頃に、もう一度読み返したくなる一冊です。ぜひ今の季節に読んでみてください。

 

(2)あかまつのりき(三松文庫店主/花より団子、花より酒派)

〇桜の森の満開の下(著/坂口安吾)

 

桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)

桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)

 

 

 (内容紹介/「BOOK」データベースより引用)

昭和初期に活躍した「無頼派」の代表的作家である坂口安吾の小説。初出は「肉体」[1947(昭和22)年]。通る人々が皆「気が変になる」鈴鹿峠の桜の森。その秘密を探ろうとする荒ぶる山賊は、ある日美しい女と出会い無理やり妻とする。しかし、それが恐ろしくも哀しい顛末の始まりだった。奥野建男から「生涯に数少なくしか創造し得ぬ作品の一つ」と激賞された、安吾の代表的小説作品。

 

(コメント)
・名作をジャンプ作家がアニメにする『青い文学シリーズ』という作品で知りました。BLEACHの久保帯人先生が原画担当をしています。

 

・春に人を温かく楽しい気持ちにさせてくれる桜の木。その美しさも、見方を変えると途端に印象が変わってくる。

 

・桜を見てあなたは何を感じますか?桜の木の下には・・・

 

 

 (3)三田稔(三松文庫仕入れ担当、「hontopia」ライター)

 

〇 さくら(著/西 加奈子

 

さくら (小学館文庫)

さくら (小学館文庫)

 

 (内容紹介/「BOOK」データベースより引用)

ヒーローだった兄ちゃんは、二十歳四か月で死んだ。超美形の妹・美貴は、内に篭もった。母は肥満化し、酒に溺れた。僕も実家を離れ、東京の大学に入った。あとは、見つけてきたときに尻尾にピンク色の花びらをつけていたことから「サクラ」と名付けられた十二歳の老犬が一匹だけ。そんな一家の灯火が消えてしまいそうな、ある年の暮れのこと。僕は、実家に帰った。「年末、家に帰ります。おとうさん」。僕の手には、スーパーのチラシの裏に薄い鉛筆文字で書かれた家出した父からの手紙が握られていた―。二十六万部突破のロングセラー。

 

(コメント)

 

 

・ どんどんサクサクあっさりと読める作品です。

 

・切なくて、哀しい作品ではありますが、暗すぎず、どこか明るい気持ちになれると思います。

 

・2020年には北村匠海主演で実写映画化するそうです。最近知りました。

 

 

(編/「hontopia」編集部)