想う、書く、届ける【恋文の技術】

こんばんは。

三松文庫あかまつです。

 

 

三松文庫店主を名乗っているくせに

本に関する記事を全然書いていなくてすみません。

 

 

「こういうものを書きたいなぁ」と頭は動かしているのですが

こたつとお布団が僕を離してくれないのです。

 

 

しかし!季節は変わり冬眠期間は終わりました!

こたつを飛び出し、手と足を動かしていきます!春ですから!

 

 

さてさて、

皆さん、最近手紙は書いていますか?

「手紙?昔は書いたことあるけど今はちょっと時間が無くて書いてないなぁ」そんな声が聞こえてきそうですね。

 

 

何かと便利となっている現代。

なんでもかんでも効率化が進み、手間のかかるものは淘汰されていきます。

 

 

僕に届く年賀状だって年々減っている気がします。

(もしかしたら僕の人との繋がりが減っているだけですかね?)

 

 

今回は、この時代にあえて手紙を書きたくなる一冊をご紹介します。

 

 

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『恋文の技術』

あらすじ

一筆啓上。文通万歳!――人生の荒海に漕ぎ出す勇気をもてず、波打ち際で右往左往する大学院生・守田一郎。教授の差し金で、京都の大学から能登半島の海辺にある実験所に飛ばされた守田は、「文通武者修行」と称して、京都にいる仲間や先輩、妹たちに次から次へと手紙を書きまくる。手紙のなかで、恋の相談に乗り、喧嘩をし、説教を垂れる日々。しかし、いちばん手紙を書きたい相手にはなかなか書けずにいるのだった。
青春の可笑しくてほろ苦い屈託満載の、新・書簡体小説。

 

 

僕は森美登美彦氏が大好きなのですが、

この本も森美節全開の独特な文章がとてもおもしろいです。

なぜ手紙のやり取りをしているだけなのにこんなにも笑えるのか。

 

 

この本を読んで思ったのですが、

文章で気持ちを伝えるというのはとても難しいことです。

 

 

突き詰めてしまえば一つのことを伝えたいだけなのに

文章にすると遠回りし過ぎたり、卑下してしまったり、情熱的になり過ぎたり、客観的になり過ぎたり…

 

 

それが本心に近くなればなるほど難しくなります。

恋文となると難易度が高すぎることこの上なしです。

 

 

ああ、自分の想いを伝えるってなんて難しいんでしょう。

 

 

僕も三年前にこの本を読んで、

「よし!俺も手紙を書き文通を始めるぞ!そして字と言葉の練習をすることで文学界に殴り込もう!」と一念発起しました。

字と文章の練習にもなるし、久しぶりに友人ともつながれる、至れり尽くせりではないかと思っていました。

 

 

そして

1通は東京で働く友人へ

1通は高松の緩い後輩へ

1通は香川でお世話になったマダムへ

 

 

僕は文通武者修行を始めたわけです。

 

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結果としては返信をいただいて2,3通目でやめてしまいました。

性格がまめじゃなかったんですよね。

 

 

手紙とは根気のいるものです。

昔の人って本当にすごいです。

 

 

そのひと手間を惜しまず、

相手のことを想って書くからこそ

手紙の素晴らしさがあるのでしょうね。

 

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ただ、メールだろうが電話だろうがラインだろうが、

誰かのために想いを馳せて、

誰かに伝える言葉は素晴らしいものです。

 

 

さぁ、皆の衆。

ペンをとり手紙を書こう!

内なる気持ちを伝えるために!

 

 

以上、こたつの中からお届けしました。

お便り、ファンレターお待ちしています。

 

 

(あかまつのりき/三松文庫店主/ファンレターに憧れる27歳)