『せとうちアート探訪 vol.1』 布と陶、フィンランドと砥部 【石本藤雄展 -マリメッコの花から陶の実へ-】

 

はじめまして。たけうちひとみと申します。
普段は愛媛松山のとある場所でほそぼそ働きながら、趣味で本屋イベントの企画をしたり、アートイベントや子ども向けの舞台上演のお手伝いをしたり、、、あれこれしています。その繋がりで三松文庫ご一行と知り合いまして、hontopiaで記事も書かせていただくことになりました。

 

 

私に何が書けるだろう…と考えたのですが、本の紹介やイベントレポートは他の皆さん素敵な記事たくさん書かれているので、まだ記事が少なめの「アート」に関して、好き勝手書かせていただこうと思います。
美術館やギャラリーやアートプロジェクトや、自分が行ってみて良かった!と思うアートについて、ゆるーくご紹介できればと。美術の専門家でも何でもないのですが、記事を読んで、次の休日にちょっと行ってみようかなーと思っていただけたら嬉しいです。
とりあえず今のところは【せとうち】のアートスポットとその周辺案内、の予定です。

 よろしくお願いします!

 

 

今回は第1回ということで、まずは私の地元・松山で開催中の企画展をご紹介します。

 

『石本藤雄展 -マリメッコの花から陶の実へ-』 

石本 藤雄さん 
1941年愛媛県砥部町出身、フィンランド・ヘルシンキ在住。
1970年にフィンランドに移り、1974年から同国を代表するライフスタイルブランド「マリメッコ」で32年に渡りテキスタイルデザイナーを務める。現在はフィンランドの老舗陶器メーカー「アラビア」のアート部門の一員として陶芸制作に取り組む。カイ・フランク賞、フィンランド獅子勲章プロ・フィンランディア・メダル、日本では旭日小綬章など多数。

 

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北欧デザインと聞いて、まず多くの人がイメージするのは「マリメッコ」のあの有名な花柄ではないでしょうか。しかし、「マリメッコ」には可愛い花柄以外にも、本当に多様な種類のテキスタイルがあるんです。


石本さんは、マリメッコに32年間在籍し、その間に400点を超えるテキスタイルデザインを生み出されました。何を隠そう北欧が好きすぎて卒業旅行でフィンランドに行った私としては、あのマリメッコの数少ない日本人デザイナーの石本さんが愛媛出身だなんて、初めて知った時はとても驚きました…!

 

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石本さんの作品の面白さは、そのデザインの幅広さにあると思います。
布のテキスタイルでも、花や果実などをモチーフとした温かな色合いのものから、クレヨンで少しずつ色味を変えた風景コレクション、シンプルなモノトーンの線画パターン、一見同じ人がデザインしたとは思えないような多様な作品が並びます。 

 

 

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原画やスケッチを見ることで、どのようにデザインを生み出してきたのか、そのアイデアの秘密も少し知ることができますよ。

 

 



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 テキスタイルデザインだけでなく、現在はフィンランドの老舗陶器メーカー「アラビア」のアート部門に所属し、陶芸家としても数多くの作品を発表されている石本さん。
柔らかな布に対し、硬く冷たい陶器ですが、石本さんの作品はどれも色鮮やかで、瑞々しさも感じられます。 

 

今回は、石本さんの作品と愛媛県美術館の所蔵作品を、山や海といったテーマごとに展示した会場もあり、石本さんの思い描く世界観をあれこれ体感できる見ごたえのある展示空間となっています。

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私はせっかくなので、10月27日企画展初日に愛媛県美術館で行われた、石本さんご本人によるフロアレクチャーにも参加させていただきました。
石本さんを囲んで大人数でぞろぞろと作品を鑑賞する不思議な時間(笑)でしたが、マリメッコ在籍当時のお話や、一つ一つのデザインに込められた想いや制作秘話を直接お聞きでき、さらに作品を深く楽しむことができました。

 

 

 

陶芸の里・砥部

また先日、第二会場である「砥部町文化会館」の展示も鑑賞してきました。

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 砥部の会場は、一角に作品が展示されているのみでしたが、実際に足を運ぶことで、この自然に囲まれた地での原体験が石本さんの作品に繋がっているのだな、と改めて感じられるはず。

 

また、石本さんの故郷・砥部町は、江戸時代から続く“陶芸の里”として知られています。「砥部焼」は白磁に藍の染付が特徴で、町内には現在も約100軒の窯元が点在しています。

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砥部町では、年に2回「砥部焼まつり」が開催されていて、様々な窯元の作品を一度に見ることができ、しかもお値打ち価格で購入できるということで、毎回朝から晩まで大盛況なイベントです。

私も「砥部焼まつり」には二度訪れたことがあるのですが、もっとじっくり窯元めぐりもしてみたいなと思っていたため、今回6軒ほど訪ねてみました。

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多くの窯元は工房だけでなく、ギャラリーも兼ねており、少しめぐるだけでも様々な作品を見て楽しむことが出来ます。伝統的な文様のものも勿論いいですが、近年若手作家さんや女性作家さんによる新しい形やデザインのものも多く生み出されている砥部焼。
愛媛にお越しの際は、砥部の窯元めぐりもお薦めです!

 

 

 

 

話がそれてきましたが、今回の企画展はメイン会場の愛媛県美術館以外にも、「砥部町文化会館」、道後のホテル「茶玻瑠」、ロープウェイ街のショップ&茶房「MUSTAKIVI」でも開催されています。 

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(「茶玻瑠」1階ロビー)

 

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(「MUSTAKIVI」)

 

実は企画展自体は、もう今週末で終わってしまうのですが(書くのが遅くてすみません…)、「MUSTAKIVI」での展示は来年2019年2月11日(日)まで開催されますし、道後では2月末まで「道後オンセナート2018」も開催されています。

個人的には、「道後オンセナート2018」のお手伝いもしているので、道後のアートめぐりも大変お薦めです!(笑)


そして、2019年春には、京都の細見美術館、夏には東京のスパイラルにも巡回予定だそうです。愛媛までは行けない…という方は、ぜひお近くの会場へ足を運んでみてください。


詳しくは、ホームページを ↓

www.fujiwo-ishimoto.com

 

 

 

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石本さんの作品の、温かな色彩とどこかノスタルジックな風合いは、フィンランドの森や湖、生まれ育った愛媛・砥部の風景、それらが溶け合い生まれてきたもの。
石本さんの布と陶の魅力、そしてフィンランドと砥部の空気を、ぜひ愛媛で体感してみてください。

 

 

 (文/たけうちひとみ/愛媛県在住。趣味で本屋イベントの企画やアートイベント、子ども向けの舞台上演の手伝いを行う)