今を闘っている子ども達に【かがみの孤城】ー『本屋大賞特集第三回』ー

様々なライターが、2018年・本屋大賞にノミネートされた10作品を紹介していく特集、第3回は辻村 深月さんの「かがみの孤城」です。

 

 

 今を闘っている子ども達に、そしてその家族に、学校の先生に、読んでもらいたい本です。

 

 

たとえば。

 

あなたが学校に通っていた時のことを思い出してみてください。
その時、願いを1つ叶えられると言われたら、あなたは何を願いますか?

 

友達がほしい。

 

彼氏、彼女がほしい。

 

楽しかったあの頃に戻りたい。

 

死んだ人を蘇らしたい。

 

嫌いな人を消したい。

 

 

このようなことを願う人が、けっこういるのではないでしょうか。

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かがみの孤城

かがみの孤城

 

ある日突然、1つの「城」に集められた七人の中学生達。

 

その城にはオオカミの仮面を被った少女がいました。

 

その少女は、この城にある「願いの鍵」を見つけた1人に、何でも1つ願いを叶えさせてあげると言う。

 

七人の中学生達は、突然集められたことに困惑しながらも、お互いのことを話してくいくうちに、皆似た境遇で学校に行けなくなってしまったという共通点に気付きます。

 

互いに知らない者同士、コミュニケーションに悩みながらも、心を開いていくうちに「城」が彼女達の居場所になっていきます。

 

そして彼女達が願うこととはー。

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僕はこの本を読んで、七人の中学生達の気持ちにすごく共感しました。

 

 

「家」と「学校」だけが、ほとんどの子達にとっての「居場所」。

 

 

「居場所」を無くさないために、自分を守るために、日々奮闘してた経験があるのではないのでしょうか?

 

 

家族に対しても友達に対しても、相手の顔を伺ったり、自分の言いたいことを言わず我慢したり。

 

 

けれど、結果的にそれらが上手くいかず、自分の「居場所」が無くなってしまうことも。

 

 

理由は違えど、「居場所」が無くなってしまった七人の中学生達。

 

 

過去の経験を乗り越え、次の1歩を踏み出そうと奮闘する彼女達の日々に、注目してみてください。

 

 

最後に、もう一度言います。

 

 

今を闘っている子ども達に、そしてその家族に、学校の先生に、

読んでもらいたい本です。

 

過去の記事はこちら▼

hontopia.hatenablog.jp