権力の系譜。昭和の怪物たち。【野望の系譜ー闇の支配者ー腐った権力】

なんだかんだと、連日ニュース番組やワイドショーなどで取り上げられる政治の話題。

 

 

ニュース番組やワイドショーは基本的に一定の期間内に消費され、その期間を過ぎると、なかなか取り上げられることのないように思います。

 

 

物心ついてからのニュースは知っていても、それ以前の出来事、特に昭和の出来事については曖昧な部分が多い方も多いのではないでしょうか。

 

 

そんな私が今回紹介するのは、昭和の権力者たちの実像を描いた本です。

 

 

 

野望の系譜 闇の支配者 腐った権力者 (講談社プラスアルファ文庫)

野望の系譜 闇の支配者 腐った権力者 (講談社プラスアルファ文庫)

 

 

 

 

 

キャッチーでドロドロとした、ともすると厨二病的なタイトルとは異なり、内容は、淡々としたリアリティ溢れる骨太なものです。

 

 

 

本書では、昭和の日本を生きた

政治家、任侠、右翼、経済人、相場師などのそれぞれの実像に迫っており、

関係性、権力の結びつきなどが、丁寧な取材を基に書かれています。

 

 

 

昭和の社会があって、

今の社会があるということ。

今に連なる系譜のようなものが、感じられます。

 

 

 

普通に暮らしているとなかなか接することのない、“権力”の世界。

昭和を生きた怪物の度量や生き様などを感じて、

清濁を併せ呑むような“熱”にほだされてみるのはいかがでしょうか。

 

 

 

 

「平成」も2019年には終わります。

いつしか、今私たちが生きる「平成」の人々や事件もこのような形で語られ、

当時語られることのなかった様々な社会のタブーが時を経て、明るみになったりするのでしょうか。

 

 

 

そのとき、それらがどういったもので、どのように語られるのかはわかりませんが、とても楽しみです。

 

 

 

(文/三田稔)